黒いのは、そういう設定なだけ
ステップ2「ターミナルの準備」に書いたとおり、白い画面が開いても間違いではありません。むしろそちらが素の状態です。Macの既定のプロファイル「Basic」はApple公式いわく「デフォルトのプロファイルを選んでいなければ使われる」もので、Mac本体のライトモード・ダークモードにそのまま連動します。「黒い画面」はあくまで通称で、色も、文字の大きさも、フォントも、全部あとから変えられる設定です。
変えられるのは大きく3つ。配色(テーマ)、フォント、そしてプロンプト——コマンドを打つ直前に表示されている、あの短い表示部分です。
ターミナルアプリを選ぶ
Macには標準で「ターミナル」(Terminal.app)が備わっています。まずはこれで十分です。
もう一段カスタマイズしたくなったら、iTerm2という選択肢があります。管理人が実際に使っているのもこちらで、tmuxでマウス選択をコピーするときのように、細かい挙動もこちらのほうが融通が利きます。
乗り換えは必須ではありません。Terminal.appにも、これから書くプロファイル機能で配色・フォントの変更は一通り揃っています(Apple公式ガイド)。
配色を変える
Terminal.app・iTerm2とも、「プロファイル」という単位で見た目をまとめて切り替えます。背景色・文字色・透明度などが1セットになったもので、複数用意して使い分けることもできます。
- Terminal.app — 「ターミナル」メニュー→「設定」→「プロファイル」から、既存のプロファイルを選ぶか複製して色を変更します
- iTerm2 — 「iTerm2」メニュー→「Settings」→「Profiles」→「Colors」タブ。既製の配色をまとめて配布しているiTerm2-Color-Schemesというリポジトリから読み込むこともできます。名前はiTerm2用ですが、Terminal.app向けの形式も同梱されています
好みが分からないうちは、既製のプロファイルをいくつか試してみるだけで十分です。
フォントを変える
同じくプロファイル設定の中に、フォントの項目があります。等幅フォント(1文字ずつの幅がそろったフォント)であれば、基本的にどれでも使えます。
1つだけ注意が要ります。次に書くプロンプトのカスタマイズで、アイコンのような特殊な記号を表示するテーマを使う場合、Nerd Fontという、その記号を含む専用フォントが必要になります。インストールせずに使うと、記号の部分が四角や文字化けで表示されます。
プロンプトを変える
プロンプトというのは、コマンドを打つ直前に表示されている、現在のフォルダ名などが並んだあの部分です。ここも設定でいくらでも変えられます。
管理人が使っているのはoh-my-zshです。公式の説明はこうです。
“Oh My Zsh is an open source, community-driven framework for managing your Zsh configuration.”
(Oh My Zshは、Zshの設定を管理するための、オープンソースでコミュニティ主導のフレームワークだ)
テーマが150個以上同梱されていて(公式サイト)、~/.zshrcのZSH_THEMEという行を書き換えるだけで切り替えられます。
ZSH_THEME="agnoster"
デフォルトはrobbyrussellという名前のテーマです(ohmyzsh公式Wiki)。書き換えたら、いつもどおりsource ~/.zshrcで反映させます(このコマンドの意味はaliasという救世主に書きました)。多くのテーマは、さっき触れたNerd Fontが無いと記号が文字化けするので、その点だけ注意してください。
oh-my-zsh以外だと、starshipというツールもよく名前が挙がります。公式の説明はこうです。
“The minimal, blazing-fast, and infinitely customizable prompt for any shell!”
(どんなシェルでも使える、最小限で、非常に高速で、無限にカスタマイズできるプロンプト)
zshだけでなくbashやPowerShellなど幅広いシェルに対応していて、Homebrewからbrew install starshipで導入できます。こちらもNerd Fontが前提です。
基本設定も、ついでに
配色・フォント・プロンプトほど見た目は変わりませんが、タブやショートカットのような基本設定も触れておく価値があります。
- タブ —
Cmd+Tで新しいタブを開けます。作業ごとにタブを分けておくと、tmuxのウィンドウに頼らなくても済む場面が増えます - フォントサイズ —
Cmd++/Cmd+-で、その場で拡大・縮小できます
やらなくても困らない
ここまで書いておいて言うのもですが、配色やプロンプトを変えなくても、ターミナルは普通に使えます。GUIから入ってCLIへと同じで、気になったときに触れば十分です。毎日開く画面だからこそ、少し手を加えると愛着が湧く——その程度の話だと捉えておいてください。