Dance with Agents

STEP 8 / 11

Gitで、コードや文章を安全に管理する

エージェントが書いたコードも、自分で書いた文章も、履歴ごと残せます。消えない・散らからない。Gitは怖がられがちですが、要点はごく少数です。

このステップを終えると

  • ✓Gitが何をしてくれる道具なのか、一言で言える
  • ✓「戻せる」という安心を手に入れた
  • ✓リポジトリとコミット、2つの言葉が分かる
  • ✓自分のパソコンでGitが使える状態になった(名前とメールの登録まで)
目安の時間:
30分ほど
お金:
かかりません

Gitとは、記憶を持つフォルダのこと

このステップの主役なので、まずそこから書きます。ご存じの方は読み飛ばしてください。

Gitは、ファイルの変更を記録しておく仕組みです。

普通のフォルダは、上書き保存すると前の内容が消えます。Gitを使っているフォルダは、節目ごとの状態を全部覚えています。 だから、いつでも好きな時点に戻れます。

このサイトでは記憶を持つフォルダと呼んでいます。それが一番近い感覚だと思います。

覚えていてくれると、こういうことが言えるようになります。

  • 「昨日の夜の状態に戻して」
  • 「先週から、どこが変わった?」
  • 「この部分、いつ入れたんだっけ?」

ファイル名を 最終版.txt、最終版2.txt、本当の最終版.txt と増やしていく、あの方法の代わりだと思ってください。あちらは自分でファイル名を考えて管理しますが、Gitなら区切りで「残しておいて」と言うだけで済みます。

ちなみに、こういう仕組みを一般にバージョン管理システムと呼びます。Gitはその代表格です。

「GitHub」という名前もどこかで見たかもしれませんが、あれは別物です。Gitで作った履歴を、ネット上で預かってくれるサービスのほうです。混同しやすいので、次のステップでまとめて扱います。

コマンドは、エージェントが選んでくれます

Gitには膨大なコマンドがあります。でも、それを覚えるところから始める必要はありません。

日本語でこう言えば通ります。

  • 「今の状態を残しておいて」
  • 「さっきの状態に戻して」
  • 「昨日から何が変わったか教えて」

エージェントが、必要なコマンドを選んで実行します。知らない言葉が登場したら、その場で「今のコミットって何?」と聞けます。

だから、このステップで身につけてほしいのは打ち方ではなく、何が起きているかが分かることです。それさえあれば、任せながら覚えていけます。

エージェントと組むと、Gitの役割が変わります

エージェントと作業していると、こういうことが起きます。

  • さっきまで動いていたのに、直してもらったら動かなくなった
  • どこをどう変えたのか、もう思い出せない
  • 前の状態に戻したいが、戻し方が分からない

Gitは、この3つをまとめて解決します。いつでも、動いていたところまで戻れる。

そして、エージェントと使うときは意味がもう一段強くなります。エージェントは一度にたくさんのファイルを書き換えるので、「どこが変わったのか」が人間の把握を超えやすいからです。

Gitがあれば、変更前と変更後を並べて見られます。 気に入らなければ、まるごと捨てて元に戻せます。

捨てられるから、思い切って任せられる。 これがエージェント時代のGitの一番の効能だと思います。

覚える言葉は、2つでいい

  • リポジトリ — 履歴を持つフォルダのこと。普通のフォルダとの違いは、過去を覚えていることだけです(くわしく)
  • コミット — その時点の状態に印をつけて残すこと。「保存」とは少し違って、戻れる地点を作るという感覚に近いです(くわしく)

「リポジトリを作って、区切りのいいところでコミットする」。この一文が分かれば、このステップは足りています。

その間にステージングという工程が挟まりますが、そこは分からないまま進んで大丈夫です。

最初に、一度だけの準備があります

Gitはたいてい最初からパソコンに入っています。ただし、使いはじめる前に一度だけ、名前とメールを登録する必要があります。 記録を「誰が」までセットで残す道具なので、そこが空のままだと最初のコミットで止まります。

打つのは3行です。

git --version                                  # 入っているかの確認
git config --global user.name "あなたの名前"
git config --global user.email "あなたのメールアドレス"

1行目で数字が返ってこなかった場合の入れ方(MacとWindowsで違います)、メールアドレスを人に見せたくない場合の逃げ道は、Gitの始め方にまとめました。ここだけは、先に済ませてください。 この先が全部その上に乗ります。

実際に打つのは、ほぼ4つだけ

Gitのコマンドは膨大にありますが、最初のうちに使うのは数えるほどです。

やりたいこと コマンド
今どうなっているか見る git status
残す対象を選ぶ git add
印をつけて残す git commit
ネットに送る(次のステップ) git push

一連の流れはGitの基本的な使い方にまとめてあります。

つまずいたら

  • git commit で変な画面が開いて出られない — vimです。Esc → :q! → Enter で出られます。次からは git commit -m "メモ" のようにメッセージを一緒に書けば開きません
  • 何をコミットすればいいか分からない — 動いた時点で毎回、が正解に近いです。細かすぎて困ることはありません
  • エージェントが勝手にコミットして困る — 「コミットは私が言うまでしないで」と伝えておけます
  • 名前とメールを聞かれた — 初回だけの設定です。Gitの始め方に、そのまま打てる形で書いてあります

実際の作業の始め方

毎回の作業が「持ってきて、入って、起動する」の3行で始まるようになるまでを、作業の始め方にまとめました。ただし、その形が完成するのは次のステップからです。GitHubに置いて初めて、その流れになります。

次は STEP 9GitHubに預ける →Gitの履歴は、手元のパソコンにしかありません。GitHubは、それを無料で預かってくれるサービスです。消えず、別のパソコンからも続けられ、人にも見せられます。

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寄り道(読まなくても先に進めます)

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