お金を払う前に、一度さわる
このステップの目的はひとつだけです。合うか合わないかを、財布を開く前に確かめること。
エージェントは、説明を読んでも実感がわきにくい道具です。「ファイルを作ってくれる」と聞いても、実際に目の前でファイルが増えるのを見るまでは、たぶんピンときません。逆に見てしまえば、一発で分かります。
だから、触ってから決めます。 順番が逆でないのがこのステップの価値です。
この回は、黒い画面を開きません
前のステップでターミナルを開きましたが、ここではいったん閉じてかまいません。
エージェントには、アプリとして入れて、マウスとキーボードだけで使える形があります。我慢して使う劣化版ではなく、公式が用意している正規の使い方です。アプリの中でも、手元のファイルは本当に書き換わります。
無料で試せるかは、選ぶもので違う
ここが実際にいちばん引っかかるところです。
| 無料で試せるか | |
|---|---|
| Claude Code | ✗ 無料プランは対象に入っていません |
| Codex(ChatGPTアプリ) | ○ 無料プランに「試す」枠があります |
| Antigravity(Google) | ○ 無料プランあり。ただし公式のサポート言語は英語 |
Claude Codeについては、Anthropic公式のセットアップ案内にこう明記されています。
Claude Code requires a Pro, Max, Team, Enterprise, or Console account. The free Claude.ai plan does not include Claude Code access.
(Claude Codeには Pro、Max、Team、Enterprise、Console のいずれかのアカウントが必要です。無料のClaude.aiプランにClaude Codeへのアクセスは含まれません)
つまり、このステップでは扱えません。 触りたければ次のステップまで待つことになります。
Codexは、OpenAI公式の料金ページの無料プランの欄に「Explore Codex capabilities on quick coding tasks(短いコーディング作業でCodexの機能を試せる)」とあります。どこまでできるかの具体的な数字は書かれていないので、お試し枠だと思っておくのが安全です。
まず1つだけ試すなら、ChatGPTのアプリからCodexを触るのがいちばん素直です。 日本語でやり取りできて、無料の枠があり、アプリを1つ入れるだけで始まります。入れ方はAIエージェントをアプリ版でまず触ってみるにまとめました。
無料のままモデルを比べてみたくなったら、Antigravityという手もあります。最初の1つとしてはすすめません——公式のサポート言語が英語だけ、という一点が日本語で読み書きする人には大きいからです。
無料でも、打ち込んだ内容は学習に使われる
試す前に、一つだけ。無料プランでも、打ち込んだ文章や渡したファイルをモデルの学習素材に使う設定が、最初からオンになっています。 ChatGPT・Claude・Geminiのいずれも同じで、後からオフにしても、それより前のやり取りは取り消せません。
この回は感じをつかむのが目的なので、仕事の資料や、人の名前・連絡先が入ったものは渡さないほうが安全です。手近な題材でも、十分に様子は分かります。
先に設定を切っておく場合、場所は3社それぞれ違います。手順は『有料AIと契約したら、最初にやることが一つある——「学習させない」設定』にまとめました(無料プランも対象です)。
何を頼んでみるか
練習用に、空のフォルダを1つ作ってください。 いきなり大事な書類の入ったフォルダを渡さないことだけ守れば、あとは自由です。
- 「このフォルダに、自己紹介を書いたテキストファイルを作って」
- 「作ったファイルを、もう少し丁寧な言い回しに直して」
- 「このフォルダに何があるか教えて」
うまい頼み方を覚える必要はありません。 適当に頼んでも、それなりに動く。それを見てもらうのが目的です。
(ただし、しっかりした結果が欲しいときは、はっきり頼むほうが早いです。この回は「動くところを見る」のが目的なので気にしなくて構いませんが、頼み方のコツはステップ7で扱います。)
見るべきなのは、こういうところ
「成功したか」より、次の4つのほうが判断材料になります。
- 違うことをしたとき、言えば直せたか。 一発で当たるかどうかより、こちらのほうがずっと大事です
- 日本語がどれくらい通じたか
- 待ち時間は気になったか
- 「あ、これ仕事のあれに使えるかも」と思う瞬間があったか。 ひとつでもあれば、十分な収穫です
つまずいたら
- 何を頼めばいいか思いつかない — 「あなたに何ができるか教えて」と聞いてしまうのが早いです
- 英語で返ってくる — 「日本語で答えて」と言えば切り替わります
- ファイルを触らせるのが怖い — その感覚は正しいです。空のフォルダを渡せば、そこで何をされても失うものがありません
合わなければ、ここでやめられる
次のステップは、お金を払うかどうかを決める回です。(払わずに進む道もあります)
だからこのステップは、引き返せる最後の地点として置いてあります。触ってみて「思ったほどじゃないな」と感じたなら、それはそれで十分な結論です。アプリを削除して終わりにできます。
逆に「これは使える」と思えたなら、次に進む理由がはっきりしたことになります。